専門学校1年生340名ご来観
投稿日:2010年4月17日
|
投稿者:staff
今日は、1年生になったばかりデザイン系専門学校の学生さんたち340名の団体鑑賞がありました。
団体鑑賞は学校の課外授業なので、生徒さん一人一人の関心の度合いは予測できず、いったいどういうことになるかまったく想像がつかないものですが、ふたを開けてみると、企画者としては一縷の希望の光が見えた日となりました。
私が聞いた限りでは、みなさんほとんど美術館という場にあまり親しみがないようでしたが、引率の先生もおっしゃったように、映像の展覧会であったことがまた功を奏したようです。
それは、以前の中学生の団体鑑賞があったあとのブログにも触れましたが、映像が美術になれていない人にとっても身近なメディアであるため、ひとまず「見方」に戸惑うことはなく、一人で観ることができる、というメディアとしてのメリットがあることにつながります。
今日のツアーは、まず1時間半ほど自由鑑賞。そのあと10分ほど展覧会の話をし、また1時間ほどの自由鑑賞に戻るというプログラム。
340人に向かって展覧会の話をするのはとらえどころがなくて難しく、またそれぞれの関心の度合いを図りかねたため、最初から伝えることを極力絞りました。
第一に、キュレーターという仕事があることを知ってもらうこと。
それから、展覧会の副題にも出ている「もうひとつの世界」として、どういう世界が展覧会から発見されたかを問いかけること。
そして、ふだん目にしている映像とこの展覧会にある映像を比べて、「消費」する映像ではなくて、「思索」する映像を提示していることを伝えること。
また、それぞれの作家が何を思ってこの作品をつくったかを考え、
かつ、なぜあの作品の横にこの作品があるのか、といった展覧会の構成にも目を向けてみてほしい、と伝えたこと。
自身の目で作品を観てもらえるきっかけづくりと、キュレーターという仕事があることを知らせることで、展覧会を深く多角的に見てもらうことへつながればと思いました。
340人という大勢のなかでは、その場で質問をとってもなかなか出ないため、はやめに自由鑑賞に戻ってもらいましたが、その後個人的に質問をしてきてくれる学生さんが数名いました。
質問に対してこちらの考えを聞いて、なるほど!というふうにまた展覧会に戻っていった生徒さんもいれば、展覧会場で思わずいっしょに話し込んだ生徒さんたちもいて、「とにかく考えて見てください」といったこちらからのメッセージが届き、彼らの思うこと、企画者として私の考えていたことをめぐって対話へと発展していきました。
「消費」ではなく「思索」をうむ映像を提示することで、観る人びとがそれぞれご自身の観点から主体的に考え、自問自答したり、または一緒に観た人(たち)と対話(議論)することへとつなげたいと思って展覧会をつくっていた立場としては、それが実現した日でもありました。
この展覧会にて、映像をとおして可視化された「不可視」の「もうひとつの世界」を今日来てくれた学生さんたちが自分との関係性において考えることへとつながっていればとても幸いです。
そして、団体鑑賞についても今後工夫していこうと思える日でもありました。
再来週は、地元の大学の団体鑑賞(今回は50名ほどですが)があるので、その人数にあわせて一工夫してみたいと思います。
(竹久)





